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インプラント治療はどう進む?相談から最終的な歯が入るまでの流れ

「手術は何回あるんですか」「いつから噛めるようになりますか」。インプラントのご相談で、最初に聞かれることの多い質問です。インプラントがどんな治療かは何となく知っていても、どんな順番で、どこに時間がかかるのかは見えにくいものです。仕事や予定との兼ね合いを考えると、そこが分からないまま決めるのは難しいと思います。

この記事では、相談から最終的な歯が入るまでの流れを、段階ごとにお話しします。おおまかな順番は次のとおりです[1]。

  1. 相談と、お口全体の検査
  2. 歯周病やむし歯の治療(必要な場合)
  3. エックス線や血液の検査、骨が足りなければ骨を補う処置
  4. インプラントを埋める手術と、骨とつくのを待つ期間
  5. 仮歯で形や噛み心地を確かめる
  6. 最終的な歯を入れ、定期的なメンテナンスへ

人によって省ける段階もあれば、加わる段階もあります。それぞれで何を確かめているのかを知っておくと、説明を聞くときの手がかりになります。

最初の相談と、お口全体の検査

最初の相談では、困っていることを伺い、治療法を一緒に考えます。歯を失ったところを補う方法はインプラントだけではありません。持病や飲んでいるお薬など、体全体の状態も伺います。治療の結果は体の状態とも関係するからです[1]。

当院では、方法の話に入る前に「どうなったらいいと思いますか」とお聞きすることを心掛けています。しっかり噛みたいのか、見た目を整えたいのか、通院の回数を抑えたいのか。望みによって、お勧めする治療は変わります。

続いて、インプラントを入れる場所だけでなく、お口全体を検査します。歯周病やむし歯があれば、インプラントの前に治療を済ませておく必要があります[1]。治療が長くかかることもあるので、先にお口の状態を整えておくのです。

特に歯周病は、あとの経過に関わります。歯周病が進んで骨まで及んだことがある方は、インプラント周囲炎が起きやすいことが分かっています[4]。インプラントの周りの歯ぐきと骨に炎症が起き、骨が減っていく病気です。インプラントの前に歯周病の治療を済ませるのは、そのためでもあります。

CTで骨と神経の位置を確かめる

インプラントは、あごの骨に支えられて噛む力を受け止めます。そのため骨に十分な量が必要です。また、あごの骨の中を通る神経を傷つけないように、埋める位置を決めなければなりません。そのため、骨の形を知るエックス線の検査を行います[1]。治療に影響する病気が隠れていないかを知るため、血液検査を行うこともあります[1]。

当院では、歯科用CTで骨の高さや幅、神経や血管の位置を立体的に確かめています。

骨が細すぎたり低すぎたりする場合は、骨を補う処置(骨造成)を組み合わせることがあります[1]。当院では、骨造成も自院で行っています。骨が足りないと言われた方は、以前の記事「『骨が足りない』と言われたら、インプラントはもう無理なのか」もあわせてご覧ください。

たばこを吸う方には、この段階でお伝えしていることがあります。複数の研究をまとめた報告では、喫煙している方に埋めたインプラントは、吸わない方のものと比べて、うまくいかなかった割合がおよそ2倍でした[3]。一人ひとりの結果を予測する数字ではなく、喫煙だけが原因と決まったわけでもありません。それでも、無視できない差です。治療を考える機会に、本数を減らすことやたばこをやめることも一緒に考えていただけたらと思います。

検査の結果がそろったら、治療の計画をご説明します。映像や模型を使い、どこに何本埋めるのか、骨を補う処置が要るのか、どのくらいの期間がかかりそうかをお伝えします。必要な処置と費用は、治療前にご説明します。

手術と、骨とつくのを待つ期間

手術では、麻酔をしてから歯ぐきを開き、骨に穴を開けてインプラントを埋めます。しっかり固定されたことを確かめて、歯ぐきを縫い合わせます[1]。

このとき、インプラントの頭を歯ぐきの外に出しておく方法と、歯ぐきで覆ってしまう方法があります。覆った場合は、骨とついたあとにもう一度小さな手術をして、頭を出します[1]。「手術は何回か」という質問の答えが人によって違うのは、このためです。骨を補う処置を別の日に行うときは、その分も加わります。

埋めたあとは、インプラントと骨がしっかりつくのを待ちます。待つ期間は、もともとの骨の硬さや、使うインプラントの種類で変わります[1]。従来の方法として、3〜8か月ほどインプラントに力をかけずに待つやり方が知られています[2]。実際に待つ期間は、埋めた場所や骨の状態によって一人ひとり違います。

埋めてすぐに力をかけ始める方法もあります。従来どおり待つ方法と比べた研究をまとめた報告では、4か月〜1年の経過で、インプラントが抜け落ちるといった結果に、はっきりした差は見つかっていません[2]。ただ、差がないと証明されたわけではなく、比べた期間も短めです。比べ方によっては研究の数も限られています。

また、早く仮歯を入れられる場合でも、その歯ですぐに普段どおり噛めるとは限りません。仮歯を入れる時期や、どこまで力をかけてよいかは、骨の状態や埋めたときの固定の具合を見て判断します。

必要に応じて仮歯を使い、最終的な歯へ

骨とついたことを確かめてから、歯をつくる段階に入ります。型取りと噛み合わせの記録をして、歯をつくります[1]。このとき、最終的な歯の前に仮歯を入れて確かめる場合と、仮歯を使わずに最終的な歯をつくる場合があります。当院では、どちらにするかを、入れる場所や本数、噛み合わせの状態などから判断しています。

仮歯を使う場合に確かめるのは、見た目、噛み心地、話しやすさ、磨きやすさです。気になるところがあれば、その都度調整します[1]。前歯なら笑ったときの見え方、奥歯なら噛み合わせのバランスが、使ってみて初めて分かることもあります。仮歯で確かめたことは、できる範囲で最終的な歯の形や噛み合わせに反映します。

仮歯を使った場合は、確認が終わってから、もう一度型取りと噛み合わせの確認をして最終的な歯をつくります。周りの歯になじむよう、色もこの段階で合わせます[1]。

入れたあとも、手入れが続きます

最終的な歯が入ると、治療が終わったように感じるかもしれません。インプラントの経過には、先ほどの喫煙[3]など、いくつもの要因が関わります。その中で、入れたあとにご自身で続けられるのが手入れです。毎日の歯みがきに加えて、歯科医院での定期的なメンテナンスが必要です[1]。

磨き残しが多いこと、入れたあとに定期的なメンテナンスを受けていないことは、インプラント周囲炎が起きやすくなる要因に挙げられています[4]。インプラントはむし歯にはなりませんが、周りの歯ぐきや骨には炎症が起こりえます。

当院が掲げているのは「治療して終わりではなく、その先の健康まで」という考え方です。入れたあとの点検とクリーニングも、歯科衛生士と一緒に同じ医院で続けていただけます。

よくあるご質問

  1. 相談したら、そのまま手術の予定が決まりますか。
    決まりません。検査の結果をもとに治療計画と費用をご説明し、ご相談のうえで進めるかどうかを決めていただきます。検査の結果、インプラント以外の方法をお勧めすることもあります。
  2. 全部でどのくらいの期間がかかりますか。
    骨の状態、骨を補う処置の有無、埋める場所や本数によって大きく変わります。CTなどの検査を終えた段階で、おおよその見通しをお伝えします。
  3. インプラントのほかに、どんな方法がありますか。
    ブリッジや部分入れ歯があります。それぞれ得るものと差し出すものが違います。比べ方は、以前の記事「歯を1本失ったらどうする?インプラント・ブリッジ・入れ歯の違い」をご覧ください。

ご相談ください

インプラント治療は、検査、手術、待つ期間、仮歯、最終的な歯と、いくつかの段階を経て進みます。どこにどれだけ時間がかかるかは、骨の状態や治療の内容によって違います。まずは検査を受けて、ご自身の場合の見通しを聞いてみてください。痛みなどの症状がなくても、歯を失ったままになっている方、抜歯のあとの治し方を比べたい方のご相談もお受けしています。

気になる症状があれば飯田橋エトワール歯科医院へご相談ください。平日はお昼休みの時間帯も、土曜日は17時まで診療しています。

参考文献

  1. 公益社団法人日本口腔インプラント学会. 相談から治療の流れ. https://www.shika-implant.org/min-implant/beginner/step/
  2. Esposito M, Grusovin MG, Maghaireh H, Worthington HV. Interventions for replacing missing teeth: different times for loading dental implants. Cochrane Database Syst Rev. 2013;(3):CD003878. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/23543525/
  3. Chen H, Liu N, Xu X, Qu X, Lu E. Smoking, radiotherapy, diabetes and osteoporosis as risk factors for dental implant failure: a meta-analysis. PLoS One. 2013;8(8):e71955. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/23940794/
  4. Schwarz F, Derks J, Monje A, Wang HL. Peri-implantitis. J Clin Periodontol. 2018;45 Suppl 20:S246-S266. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29926484/

免責

本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断や治療方針を示すものではありません。治療の流れや期間は、骨の状態や全身の状態、治療の内容によって異なります。掲載した研究結果は特定の条件で調べた集団の傾向であり、経過には個人差があります。インプラント治療は外科処置であり、腫れ・痛み・感染などが生じることがあります。ご自身に適した治療については、歯科医院で診査を受けたうえでご相談ください。

執筆者情報

院長(歯学博士)

Naohiro Morikage

飯田橋エトワール歯科医院のホームページにご訪問いただき、ありがとうございます。
当院では働く方でも通いやすいように、お昼休みの時間帯や土曜日の診療も行っております。また、安心して治療を受けていただけるように、徹底した衛生管理と高品質な治療設備を導入し、患者さん一人ひとりに合わせた適切な診断と治療をご提供できるよう心がけております。お忙しくてなかなか歯科医院に行けなかったという方も、ライフスタイルに合わせた短期間で正確な治療プランをご提案いたしますので、ぜひご相談ください。

経歴

  • 2011年

    日本大学歯学部総合診療科にて研修

  • 2012年

    日本大学歯学部口腔診断科学講座 入局

  • 2013年

    日本大学歯学部口腔診断科学講座 専修医

  • 2014年

    奥羽大学歯学部口腔外科学講座 臨床助手

  • 2015年

    都内開業医勤務

  • 2018年

    飯田橋エトワール歯科医院 開院

修了セミナー

[全顎的治療]

  • Education for Oral Rehabilitation ベーシック・マスターコース(高橋登先生)

[アライナー矯正]

  • アライナー矯正治療コース(尾島賢治先生)

[CEREC]

  • CEREC Basic Course (風間龍之輔先生)
  • CEREC道場(北道敏行先生)
  • CERECコース(小池軍平先生)

[審美歯科、保存修復]

  • ダイレクトボンディング ベーシック・マスターコース(高橋登先生)
  • プレパレーションセミナー(岩田淳先生)
  • C.R.E.Dセミナー(高田光彦先生)
  • ADI 実践コース (二宮佑介先生、榊航利先生)
  • Anterior&Posterior Restoration-2days Lecture(Marco Gresnigt先生)

[歯周病]

  • JIPIぺリオコース(牧草一人先生)

[インプラント]

  • Urban Regeneration Institute Advanced Hard and Soft Tissue Course(Istvan Urban先生)
  • 水口インプラント道場 (水口稔之先生)
  • ブローネマルク・コンセプトによるインプラント・コース(小宮山 彌太郎先生)
  • SBICインプラントコース (中澤玲先生)
  • 生体主導型歯科臨床セミナー (山道信之先生)